建築保存ポリエードルョーロツパ建築に学ぶリノベーションの技法

摘要

今回は「白化」と称して、改修の際に元の建物や手を加えた部分を白く塗る手法に焦点を当てたい。本連載の第13回で「コントラスト」をテーマとして、改修の際に手を加えた部分にオリジナルと異なる色や素材を用いて新旧を対比させる手法を紹介した。白化もコントラストと同様、新しい部分に用いれば、元の建物との色彩的な対比を生み出す効果を持つが、一方で元の建物に用いれば、その素材感ゃ重力感を失わせて抽象化し、明るく現代的なものに変化させる効果を持つ。つまり白化は、対比させるだけではなく、新旧を混在させてその対比を曖昧にレ、両義性を生み出す効果をも持つと言えるだろう。