内藤廣建築設計事務所

摘要

2013年に富山県立近代美術館の移転新築に伴うプロポーザルコンペが行われ、2017年8月26日、富山県美術館と名称を変えグランドオープンを迎えた。 敷地は富山駅北側の環水公園の角地にある。もともとは小高い丘に、ふわふわドームや東屋など、子どもの遊び場があった。それらの要素を踏襲した上で、公園と一体となった美術館を目指した。このエリアは河川氾濫による2.1mの浸水想定範囲に指定されており、浸水から美術品を守るため、展示室、収蔵庫、主要な機械室を2階以上へ配置し、それを外観上も、2階以上の建物が地面の上に置かれているように見せている。その意味で建物の下にあたる1階は、低い天井高の玄関ロビーとなり、2階=アート、3階=デザイス屋上=子どもというように各層で性格を分けている。