雑巾の汚れの目立ち感に関与する色彩要因の検討

摘要

市販雑巾が多様化している中で，雑巾の廃棄に繋がる汚れの目立ち感に関与する色彩要因を検討rnするために，19色のタオル地で作ったテキスタイルチャートを100人の被験者に提示し，汚れが目立ちにくいと思うものから順位を付けさせた．次に，同じ布地で作ったパッチワーク状の雑巾40rn枚を家庭で1カ月間使用させ，使用後の雑巾で作成したテキスタイルチャートを見せ，実際に汚れが目立ちにくいものから順位を付けさせ，両結果を比較検討した．同時に，雑巾として望ましい色とその理由についても調査を行った．rnその結果，雑巾使用前と使用後の評価で得られた目立ち得点は高い相関を示し，布地の明度が高rnくなるほど汚れが目立ちやすい結果であった．しかし，汚れの目立ちにくい色で若干の相違がみられ，使用前ではグレー，黒，低明度の青であったのに村し，使用後ではグレー，黒，低明度の赤の順であった．rn市場調査から，販売されている雑巾は，高明度の色彩が多くみられた．しかし，雑巾として望まrnしい色の評価を行った結果，実際に汚れが付着した雑巾を見たことが影響し，評価に変化が表れた．そのため，商品を購入する際に嗜好色や布地そのものの色の清潔感を重視することは，雑巾の廃棄を早めることに繋がる可能性があるといえる．