需給連携制御を導入した地域冷暖房システムにおける搬送動力低減に関する研究: 第4報——熱需要家数が複数の場合のポンプ揚程および搬送動力推定手法の提案

摘要

本研究では，地域冷暖房システムへ需給連携制御を適用することにより，どの程度搬送動力削減に効果があり，その制約は何かを可能な限り一般的に検証することを目的としている。既報では需要家が1つの場合の特性を論じたが，本報では，その特性を複数需要家に拡大した基礎概念を説明し，実物件を概ね再現できることを確認した。次に，基礎概念を応用し，積算値である需要家毎の熱負荷を入カとして，任意のボンプ揚程および搬送動力を推定できる手法を提案し，妥当性検証，需要家数を増やす場合の条件および活用する場合の留意点を述べた。また，提案手法を実熱負荷ヘ適用した場合の妥当性検証を実施し，活用する場合の留意点を述べた。