脳と主観的経験

摘要

近年，脳科学では，さまざまな認知活動について，その活動を行っているときの脳の状態をPETやfMRIなどの脳画像技術によって画像化する試みが盛んに行われている．そして多くの場合に，それぞれの認知活動に特有の脳の活性部位が発見されるというめざましい成果が得られている．色を見ているときには，脳の後頭葉のある部位が活性化し，推論を行っているときには，前頭葉のある部位が活性化し，嘘をついているときには，正直な場合よりも多くの脳の領域が活性化する，等々．