国勢調査·生活時間データに基づく住宅エネルギー需要モデルの精度検証

摘要

住宅のエネルギー需要のモデル化手法は大きくエネル ギ一需要が決定される構造をブラックボックスとして扱い, 需要の挙動を統計モデルなどにより模擬するものと，エネ ルギー需要決定構造を模擬して個々の機器や用途別エネル ギー消費を積み上げて需要を定量化するボトムアップ型モ デルの二つに分類できる.本論文では後者を対象とし，エ ネルギ一需要の内訳や時刻別の挙動の再現精度を評価でき る精度検証手法を提案するとともに，著者らが開発したモ デルに適用した結果を示した.精度検証は住宅配電盤で計 測された分電盤回路別電力消費データを用いており，機器 や部屋を単位として電力消費を定量化できる.加えて回路 別消費電力から回路状況と回路稼働時消費電力をデータ化 し，その世帯平均値を精度検証に用いた.これにより，部 屋•機器の消費電力の内訳，稼働状況，稼働時の生活行為 や生活行為に伴って使用される機器の設定値の妥当性を評 価できる.