圧縮荷重下の純粋面外せん断型変形を受けるき裂による破壊現象の実験的考察

摘要

本研究ではモードⅢのき裂変形様式のき裂先端近傍の応力状態を考察したのち，花弁き裂が観察されてrnいるPMMAと同質なアクリル樹脂供試体を用いた圧縮荷重下の純粋モードⅢき裂変形様式の実験を行い，rnその破壊メカニズムを検討した．そして，岩質材料と考えることのできるモルタルで同様な実験を行い，rn材料によるモードⅢ圧縮荷重下の破壊特性の違いについても考察した．き裂先端近傍の応力場は純せん断rn状態にあり，き裂先端軸に対して45度の方向に大きな引張応力が作用する．この応力状態ではその引張応rn力に垂直な方向にき裂が発生することが予測される．これに対して，アクリル供試体では，初期き裂先端rn軸と交差する小さなき裂が発生し，そのき裂が発生直後に花弁き裂に移行していくことが確認された．