千葉県流山市における今上落の歴史的変遷と活用方策に関する研究:千葉県流山市本町地区および今上落の歴史的変遷について

摘要

千葉県流山市の歴史は，江戸川とのつながりが深く河川舟運の発達に伴い加村河岸や流山河岸を中心にまちの賑わいを創出してきた．現在では，「流山本町江戸回廊」と称して，河岸集落の情緒を残す老舗や土倉などの歴史的建造物に加えて，江戸川や今上落等の河川を巡る歴史まちづくりが展開されている．こうした歴史まちづくりを検討する際には，地域の歴史的背景を紐解きまちへ展開するための手立てを検討することが重要となる．しかし，流山本町地区の歴史的街並みや建造物，江戸川に関する史実は既に整理されているものの，今上落に関する史的資料は非常に少なく，その史実も未だ整理されていない．そこで本研究では，近年，地域住民からその利活用が望まれている今上落に着目し，今上落の形成過程およびまちとの関係性について明らかにすることを目的とする．