沖縄県における鋼床版箱桁の温度計測結果と設計・施工への配慮

摘要

1) 夏季の沖縄県における供用中の鋼床板箱桁の温度差は最大で15.2℃であり，道路橋示方書に示される温度差と同程度であった．2) 一方，架設時には舗装がなく，鋼床版が直接日照を受けるために温度差が大きくなり，最大で29.5℃であった．3) 部材間の温度差は日中に最大となり，深夜～未明にかけて最小となる．4) 実際の架設時に鋼床版の温度上昇を抑制するため，鋼床版上面に遮光シートを設置したところ，最大温度差を約8℃にすることができた．鋼床版箱桁の架設時の最大温度差は施工指針に示される15℃の2 倍以上となる場合もあり，設計においては現地状況に応じた最大温度差を考慮するか，あるいは設計で想定した温度差以下となるような施工上の配慮が必要である．また，沖縄県においても，架設時の形状管理は温度差が最小となる深夜～未明にかけて行うことが有効といえる．