反射型Si リングフィルタを用いた光負帰還狭線幅半導体レーザ光源の実験的検証

摘要

小型で低コストな狭線幅半導体レーザ光源は光通信やセンシング、分光学など様々な分野で求められている。とりわけ光通信分野では、インターネットトラフィックの急激な増加に伴い通信容量の拡大が急務となっており、次世代大容量通信方式であるデジタルコヒーレント光通信システムの実現へ向けて低位相雑音特性を有する狭線幅レーザ光源の研究が加速されている。我々は光負帰還法を用いた小型かつ簡便な構成の狭線幅半導体レーザ光源の実現を目的として研究を進めてきた。先行報告で集積型光負帰還レーザ光源用反射型Si リングフィルタの設計および試作素子の特性について報告した[1]。本報告では試作した反射型Si リングフィルタを単一モード半導体レーザとハイブリッド結合した、全長約1.5 mm の小型な光源で発振スペクトル線幅を160 kHz まで狭窄化することに成功したことを報告する。