平壁面衝突渦輪のPIVデータを用いた圧力場推定の誤差解析

摘要

流体機械における圧力場は物体表面の圧力から詳細な抵抗を求めたり，エンジン内流れの熱効率を上げたり，排気騒音など音源を特定したり自動車の空力性能を決めるため重要パラメータである.圧力場測定法というと，感圧塗料を使った圧力場計測（Pressure-Sensitive Paints)の確立により物体周りの圧力は精度が高くなりつつあるしかし，せん断や圧力などあらゆる実験で測定されたとしても大小の渦の影響を再現が困難である .それらの影響を再現するためには圧力場を空間的に計測する以外に方法がなく ，粒子画像速度場計測法(Particle Image Velocimetry: PIV)のような速度場を精度よく測定できる方法が望ましい.近年の高速ビデオ力 メラの高分解能化と高感度化によりフォログラフィックPIVなど3次元の可視化が発達し，PIVによる圧力場推定も一気に加速した.圧力場推定方法はvan Oudheusden の Reviewに体系的にまとめられ，圧力場推定方法の技術が急速に発達した.圧力場推定方法は実験流体力学と数値流体力学との利点を取り込んだ融合といえる.しかし，数値シミュレーションの視点から実施された例では，実験データの誤差の極端な例を採用するか誤差を考慮してロバストな解析をする必要がある.つまり，PIVでは誤べクトルの評価がデータの信頼性を決める.実験流体力学の視点から考えると実験の測定誤差をいかに除去するかという点と誤差の影響を調査する必要がある.そこで本研究では，衝突渦輪の現象をモデルに圧力場内の誤差解析を行うことで圧力場推定の精度を評価する.