滑走路側方の防音堤による騒音低減効果の検証

摘要

空港近傍への騒音影響を抑制するための環境対策の一環として、滑走路側方に防音堤を築堤することがなされる。まず、成田空港の防音堤の騒音低减効果について、過去の調査結果を改めて振り返った。さらに大阪空港にある空港に親しみを持てる公園を兼ねた防音堤の騒音低減効果を検証するため騒音測定を実施した。その結果、べクトル風速区分が無風クラスの時、防音堤の背後120mの地点では約12dB、同270mの地点では約9dBの騒音低減効果が確認できた。なお、順風条件になった時この効果は少し小さくなる。さらにべクトル風速区分を用いない全区分の結果は無風条件に近い。これらの傾向は、過去に実施した成田空港の検証結果と同じだった。これらのことから、滑走路側方の防音堤は周辺地域への騒音影響の低減に効果を発揮していることが分かった。