時間領域差分法に基づく1次元の声道音響モデル

摘要

声帯音源波が同じであっても，形の異なるrn声道を通過すると異なる母音になる現象を説rn明するソース・フィルタ理論は，初学者が興rn味を持つ点の一つである。声帯音源波としてrnはRosenberg 波[1]などが考案されており，簡rn単なプログラミングで波形を作成して音を聞rnくことができる。しかし，声帯音源波が声道rnを通過して音声が生成される過程を時間領域rnでシミュレーションする手法はいくつか考案rnされてはいるものの[例えば2]，アルゴリズムrnが複雑でプログラミングは難しい。rnそのため，声道形状からフィルタを生成し，rn声帯音源波に畳み込んで音声を生成する以下rnのような手法がとられる[3]。まず，声門からrn口唇までの断面積の変化を表す声道断面積関rn数に基づき，声道を縦続音響管でモデル化すrnる。次に，各管の入口と出口の音圧と体積速rn度を周波数領域で順次計算し，最終的に声道rnの伝達関数を計算する（Transmission LinernModel: 以降TLM 法）。そして，これを逆離散rnフーリエ変換してインパルス応答に変換し，rnフィルタとして声帯音源波に畳み込む。このrn方法は，周波数依存性のある壁振動，熱交換，rn粘性抵抗などによる損失を考慮できるため，rn声道の伝達関数を精度よく計算できる。しかrnし，周波数領域で計算を行うために直感的でrnなく，プログラミングも初学者にとってそれrnほど簡単ではない。