データセンタ間ライブマイグレーションにおけるネットワーク遅延削減方式の比較検討

摘要

近年，災害時の事業継続やネットワーク負荷分散などのために，データセンタ(DC) 間を跨って仮想マシン(VM) を移動を行うライブマイグレーションが利用されている．テナント間の接続が論理L2NW によって接続されている場合，DC 間マイグレーション後に，VM とデフォルトゲートウェイが異なるDC に存在するために外部への通信がDC 間を跨った冗長経路になる“トロンボーン現象(Traffic Trombone)” が発生してしまう．例えば，図1 のように，距離の離れた拠点X から拠点YにVM をライブマイグレーションした際，当該VM のデフォルトゲートウェイはマイグレーション後もRx であるため，近隣に存在するUy との通信が経路2 を経由し冗長な経路となり，遅延が発生してしまう．