北海道における風力・太陽光発電大量導入時の電力構成・コスト・CO_2量変化と運輸部門内電力利用の効果解析

摘要

2015年12月に採択されたパリ協定に対応し，日本は2030年に温室効果ガスを2013年度比26%削減，2050年までに80%の削減を目指すことを閣議決定している．この目標を達成するには，長期的な視点での発電構成の変更が重要であり，特に北海道は風況の良い気象や土地利用の観点から再生可能エネルギーの導入ポテンシャルが高い特徴がある．本研究では 2050 年における北海道を対象とし，再生可能エネルギー割合を 80%程度まで高めた際の最適電源構成の解析のほか，再生可能エネルギー大量導入に伴う出力変動対策として，送電線強化や大容量蓄電池の効果に関して解析を行った．また，余剰電力の有効利用法として，電気自動車および水素変換による燃料電池車利用の比較を行った．なお，解析には過去の1時間間隔の複数地点における気象データおよび電力需要を用いたほか，価格や性能には2050年の推計が難しいので2030年における推計値を用いた．