ハロゲン光源を用いた波長走査型FFOCMの基礎検討Ⅱ

摘要

近年，医学・生物学分野において，高い空間分解能と無侵襲性の特徴を有するOCT(Optical CoherenceTomography) が，眼科臨床で実用化され，その応用が広がっている．現在，測定速度と感度の点からFD OCT(Fourier domain OCT)が主流であり，それは，波長走査型OCT(SS OCT)とスペクトルドメインOCT(SD OCT)に大別され，現在多くの研究報告がなされている．我々は，小型で汎用な顕微鏡タイプのFF OCT(FullField Optical Coherence Microscopy)を目標としており，高い空間分解能や感度が重要となる．シンプルな構造から横走査が不要なFF OCT が有利で，さらにシステムの構成上SS OCT が現実的である．一般にSSOCTでは，波長走査型レーザー光源が主に用いられているが，価格の点，さらに高い空間コヒーレンスのために，横方向分解能の低下が懸念される．そこで，我々は，広い波長スペクトルから高い深さ方向分解能と低い空間コヒーレンスから高い空間分解能が期待される汎用のハロゲンランプをSSOCT の光源に使用して検討を行ってきた．本発表では，ハロゲン光源を用いた波長走査型FFOCM を試作し，動作確認と基礎特性を測定したので報告する．