ひずみゲージを用いたひずみ測定の基礎と応用

摘要

ひずみ測定は，設計製作された機械構造物が安全な状態にあるか，使用中のものが現在，そして今後も安全であるかを判断する情報を得るため，さらに構造物の性能を向上させるため次の製品の開発に必要な情報を得るためにも行われる.すなわち荷重状態，使用材料の適切であるかどうかを含めた安全性の確認のため構造物の応力，変形状態を明確にする必要があり，ひずみ測定によって構造物に発生する応力，ひずみを測定しなければならない.またコンピュータシミュレーションによる構造物の応力解析結果の妥当性を確認するためのひずみ測定もよく行われている.ひずみ測定の目的として次のような事項があげられる.a)構造物内の応力の状態を知ること.b)構造物への負荷の状態を知ること.c)構造物の使用中の状態を知ること.d)構造物の振動，変形の状態を知ること.e)材料の機械的性質を知ること.f)解析結果の妥当性を確認すること.g)解析モデルの妥当性を確認すること.ここでg)の解析モデルとは構造物の形状だけでなく，負荷?支持方法および材料特性などを含hでいる.シミュレ一ションで考慮されていない効果が大きく現象に影饗していることがあり，シミュレーションのみに頼ることなく，応力?ひずみ測定を行うことの重要性をよく理解しておかなければならない.ここでは電気抵抗ひずみゲージ(以下，ひずみゲージ）を用いたひずみ測定技術の基礎から測定の精度を高めるための手法，応用について解説する.