深層学習を利用した盲ろう者向け自動要約筆記システムの提案

摘要

盲ろう者とは視覚・聴覚障害のある者を指し、現在全国に23,200 人程度と推定されている[1]。また、障害の発生順により、“先天盲ろう”,“盲ベース”,“ろうベース”に分類される。本研究では盲ベース（または、点字使用可能な盲ろう者）の触覚刺激によるコミュニケーションの1 つである要約筆記について考察する。要約筆記は主に聴覚障害者の情報保障として用いられている。しかし、視覚で情報を取得する聴覚障害者と、触覚（指点字など）で情報を取得する盲ろう者とでは、要約筆記に含まれる情報量や理解への調整が異なることから、盲（点字）の知識を持った要約筆記者が付くことが望ましい。そこで本研究は、専門の要約筆記者が付かなくとも、盲ろう者への情報保障を可能とする自動要約筆記システムを提案する。