赤外吸収法を用いたスプレーガイド直噴機関における点火プラグ近傍空燃比計測

摘要

火花点火機関において，混合気を成層化することで希薄燃焼を実現するDISI（Direct-Injection Spark-Ignition）エンジンが注目されている．一方でサイクル毎の混合気形成が不安定であるためサイクル毎の燃焼変動が課題となっている．特に点火プラグ近傍の局所空燃比は着火に大きく影響すると考えられ，実機関において点火プラグ付近の混合気濃度を把握することはDISIエンジン開発において有効な手段となる．我々は光ファイバを組み込hだ点火プラグ実装型センサを製作し赤外吸収法を用いて，実用SIエンジンにおいて燃料濃度計測を行ってきた．またSG-DISI（Spray-Guided DISI）エンジンに適用した際，測定部に存在する燃料液滴によって赤外光が散乱し，空燃比計測に影響を及ぼすと報告した．その際，波長0.633μmのレーザを用いて燃料液滴による散乱を検出し，燃料液滴に影響を受けないセンサ位置を決定している．また，Sholesらは近赤外光を散乱測定に用い，散乱量から補正を行い液滴中の燃料蒸気濃度を算出している．本研究は，燃料蒸気と液滴を同時に計測し，高速度カメラによる噴霧の可視化結果と比較した．また液滴による散乱を考慮した赤外吸収法による空燃比計測を行った．