ィンフラ協調型右折時衝突防止支援システムの効果評価

摘要

近年，インフラ協調型安全運転支援システムの研究開発が国内外で盛hに行われている．インフラ協調システムは，自車両から見えない対象をドライバに伝えることが可能であり，従来のレーダやカメラ等の車載センサを使った運転支援システムと補完することで，より一層の交通事故削減に貢献すると期待されている．右折時衝突防止支援システムは，路側センサ等のインフラから右折車のドライバに対し，対向直進車の情報を提供することで事故を防止することを目的としている．事故統計によると右折時衝突は信号交差点における交通事故の中で39％と最も多く，対策の社会的意義は高いと考える．これまでの官民を挙げた取組みにより，様々な要素技術について検討がなされ，実用化への期待が高まっている，システムの実用化にあたっては，インフラ設置の投資に見合う事故削減効果が得られるかを定量的に評価することが重要である．本研究では，右折時衝突防止支援システムの効果評価手法の検討と効果の試算を行った．まず，100名規模の一般人を対象とした公道での実証実験により，システム支援がない状態とある状態でのドライバの右折行動を取得した．ここでは，参加者が実験を意識して運転しないよう，自家用車に実験装置を取り付け，日常生活の中で交差点を右折させた．次に，ASV（先進安全自動車）推進検討会から報告された効果評価手法を検討の土台として，事故分析と映像解析から右折時衝突防止支援システムの効果算出モデルを作成した．また，実験で取得した約1万の右折行動データを効果算出モデルに適用した結果から，システムの事故削減効果について考察した．