残存容量把握のためのニッケル水素電池の開回路電圧に関する一検討

摘要

充電により繰り返し使用が可能な二次電池は種々の電気機器の電源として幅広く利用され，近年は電気自動車や再生可能エネルギーのための蓄電デバイスとして普及が進hでいる．二次電池が厳密な保守·管理を必要とするシステムの一部として普及することで，要求仕様を満たしながら二次電池を長期的に運用するために，その容量を簡易に精度よく把握する技術が求められている．本論文では，実際に使用されている電池の容量を把握するために，容量と放電終了時の電池電圧との関係，放電終了時の電池電圧と放電終了後の電池電圧（開回路電圧）との関係を実測値から説明し，本実験の条件の下では，これらの関係性から電池の残存容量を推定することが可能なことを示す．電池の性能を評価する際に充放電特性が用いられるのは一般的である．一方，開回路電圧も充放電特性同様充放電パターンや温度によって影響を受けると考えられるが，開回路電圧が電池の評価に用いられることはほとhどない．さらに，その現象そのものを定量的に評価した事例も少ないと言える．この開回路電圧について，実測値に基づく解析を試みたので報告する．