凹面鏡反射像における見かけの奥行きの定量的解析

摘要

平面画像を鏡を通して観察すると, 見かけの奥行きが増すことが知られている. 本研究では, 凹面鏡による反射像の見かけの奥行きに影響を与える要因を検討した. 平面画像について絶対距離応答・印象応答による主観評価と，輻輳眼球運動の測定による客観評価を, 異なる3 つの観視条件(凹面鏡での反射観視, 平面ディスプレイの直視, 平面ディスプレイの枠観察)で行なった. その結果，凹面鏡条件では平面ディスプレイ条件と比較して，主観評価で現実感のある奥行き感が得られた．この結果を輻輳眼球運動量と比較して, 凹面鏡反射像に対する奥行き感に影響を与える要因を総合的に検討する.