差分進化法を用いた高次直列結合マイクロリング波長フィルタの設計

摘要

光波長フィルタはフォトニックネットワークにおけるキーデバイスの一つであり，特に，高次直列結合マイクロリング共振器波長フィルタは構造が比較的小型で設計性に優れる．一般的にリング次数が高次になると設計パラメータが増え，設計が複雑になる．その設計法としてディジタルフィルタ設計手法も提案されているが[1]，汎用性が十分とはいえず，その設計法はまだ確立されていない．そこで本研究では，フィルタ設計への機械学習の適用を試みた．光デバイス設計における機械学習の適用の例としてはフォトニック結晶デバイス設計があるが[2]，マイクロリングフィルタ設計へ適用された例はない．これまで多スタート局所探索法で最適化を行っていたが[3]，リング次数が大きくなったときに探索性能が低くなる問題があった．本研究では差分進化法[4]の導入，リングの性質を利用したリング周長の組み合わせの導出方法の変更によって探索性能の改善に成功したので，それを報告する．