宇宙機用高発熱機器用ベーパーチャンバに関する研究

摘要

宇宙用機器の熱制御デバイスを想定して、ベーパーチャンバを模擬した試験装置を製作し、加熱条件での内邪流動の観察を行った。本実験装置では、加熱量53.8Wまでの加熱実験を実施し、ベーパーチャンバ内に設置された多孔体からの気泡発生挙動および凝縮液挙動を確認した。1) 低熱流束条件では、気泡発生は認められず、多孔体表層での液膜蒸発が支郤的であることがわかった。一方、熱流束の増大とともに、気泡の発生頻度が高まり、多孔質内邪での気泡発生が主要な伝熱形態となることがわかった。2) 凝縮面全面に凝縮液膜が形成されていることが確認され、膜状凝縮が主要な伝熱形態であり、蒸気がベーパーチャンバ内に十分に拡散していることがわかった。ベーパーチャンバの熱抵抗の低減のためには、凝縮熱伝遉の促逭が重要となる。