高平均出力レーザー用大口径TGG ファラデー回転子の開発

摘要

高出力レーザーシステムに採用されているファラデー回転子は、寄生発振防止やレーザー媒質の熱複屈折補償(2パスシステム) 等に利用され、システムのレーザー性能維持および高性能化を行う上で必要不可欠な光学部品の一つである。大口径ファラデー回転子に要求されるファラデー材料のレーザー性能は、(1)高平均出力動作に耐える熱特性、(2)優れた光学特性、(3)大型化が容易、(4)高いベルデ定数、(5)高いレーザー損傷閾値等である。表 1 に代表的なファラデー用材料のベルデ定数と熱伝導率を示す。近年のレーザー用透明セラミック技術の進展により 高品質で大口径のTGG材料の製造が可能となった。TGGセラミックの熱伝導率はガラス材料に比べ一桁高く、TGG 単結晶と同等であり、ベルデ定数はガラス材料に比べ約2倍大きい。また、TAGおよびTSAGは現在開発中の材料であり、大型で高品質化が可能となれば高平均出力用として有望である。