TMR効果を応用した生体用高感度磁気センサ技術

摘要

磁気センサは身の回りのさまざまな物性を計測する手段として広く用いられており、携帯電話やスマートフォンに実装されるなど、IoT時代においても中心的な役割を担っている。一方で、これまでに、さまざまな原理に基づく磁気センサが提案されてきているが、この中で磁気抵抗効果を用いた磁気センサは他のセンサと比較して、簡便、省電力かつ高感度である事から代替への期待が高くなってきている。その中でも、強磁性トンネル磁気抵抗(Tunnel Magnetoresistance：TMR)効果を用いたTMR素子は原理的に無限大の抵抗変化率を実現可能な事から、HDD用読み出しヘッドや不揮発性磁気メモリ、高周波発振素子などへの応用が検討され、それぞれの用途に応じた最適なデバイス構造が提案されてきた。