日本における地域熱供給の課題－JR新駅設置に伴う宅地開発地でゐシミュレⅡションを中心に－

摘要

パリ協定では、世界の平均気温上昇を2度未満に抑えるために、世界全体で今世紀後半には、人間活動による温室効果ガス排出量を実質的にゼロにしていく合意がなされるなど、温室効果ガスの削減について世界的に強く求められている。地域熱供給は、地域への経済効果とともに、省エネ、エネルギーの効率的利用、さらに、自然エネルギーを使いやすい 点でも温室効果ガスの削減に効果的である。このため、地球温暖化対策に積極的なヨーロッパ各国では、木質バイオマスなどの再生可能エネルギーを用いた地域熱供給の普及が推進されてきた。日本では、一部の都市の条件が整った地域で地域熱供給が進められているが、燃料としては化石燃料を用いたものが大部分であり、温室効果ガス削減の点ではまだ十分ではないように思われる。