一般研究発表モニタ発表4月18日(土)

摘要

【目的】近年，低電圧撮影におけるCT-Angiographyは多くの施設で検討されており，造影効果が上昇すると報告されている.今回，下肢CT-Angiography検査(以下：下肢CTA)において低電圧撮影と可変注入法を併用することで従来法(一段階注入)との造影効果の検討を行った. 【方法】540mgl/kgのヨード量(30s注入)を従来法(A群，n=29)と可変定数0.5の可変注入法(B群，n=18)で撮影したデータを1.腎上縁2.大動脈分岐手前3.大腿部中央(1右，2左)4.3分枝手前(1右，2左)5.足関節レベル(1右，2左)にてCT値を計測した.得られたデータ，各位置における平均値，標準偏差(SD)を用いて比較検討を行った. 【結果】各部位でのCT値を比較すると1, 3-2, 4-1, 4-2, 5-1, 5-2において有意差を認めた(p＜0.01).平均CT値はB群は1～4の部位で400HU以上，A群の1.16～1.35倍，5で300HU以上，A群の1.5倍上昇した.SDは3～5の部位でB群はA群の0.71～0.97倍となりCT値のばらつきも低減した. 【結語】下肢CTAにおいて低電圧撮影と可変注入法を併用することで，従来法と比べCT値が上昇しばらつきも抑えられ，造影効果が向上することが示唆された.