層状複水酸化物ナノシート由来の有機-無機 ナノハイブリッド材料の局所構造分析

摘要

層状複水酸化物 (LDH) は、[M~(2+) 1?xM~(3+) x(OH)2]An? x/n ·mH2Oで表される粘土鉱物の一種である。硝酸型LDH はホルムアミド中で完全に剥離してナノシート化し、さらに高濃度の条件ではナノシート溶液がゲル化する ことが報告されている[1] 。演者らはこれまでに、LDH ナノシートからのゲルを低温でキセロゲル化させて得 られる固体が、元のLDHとは異なるX線回折パターンを示し、有機物との塩を形成していること見出した[2] 。 しかし、この生成物について結晶構造を含む詳細は明らかになっていない。本研究は、有機物-LDHナノシー ト化合物の主要な金属であるMgとAlについて、 配位状態を含めた局所構造の分析を軟X線を利用したXAFS で行い、その構造を解明することを目的とした。