液体窒素中で塑性変形させた二相ステンレス鋼の低温磁気特性

摘要

二相系ステンレス鋼は高強度?高耐腐食性に優れるため、海水配管などの厳しい環境下の構造材料として使用されており、それに伴う二相ステンレス鋼の品質評価と高精度な経年劣化検査の必要性が増している。二相ステンレス鋼は強磁性のフェライト(α)相と非磁性のオーステナイト(γ)相を含むため、磁性を用いた非破壊評価が原理的に可能であるが、複合組織が磁気特性に与える影響は単純ではない。先行研究【1】で低温域(液体窒素中)で約50%まで圧縮試験を行った結果、約25%マルテンサイト(α')変態している事を確認した。本研究では、特に低温特性に注目した磁気測定を実施し、構成相の組織形態を磁気的に分離し評価する方法への応用可能性を検討した。