固体材料揮発成分の点火限界試験における 点火手法の検討

摘要

有人宇宙活動において，火災を抑制することは必須である．宇宙開発の歴史においてもアポロ1 号の火災を初め，多くの人命が失われてきた．宇宙活動における防災のためには，微小重力環境下における燃焼現象および可燃環境の把握が必要である．使用される各々の部材に対してこれらを理解し，適切な試験法および基準の設定が必要である．現状のNASA の宇宙活動おける宇宙用材料の選定においては，NASA 特定の材料燃焼試験法に基づき行われている1)．これらの試験は地上で行われている．一方で，微小重力環境では，浮力の影響が無いため地上とは大きく燃焼状態が異なり，液滴2,3)，シート4)，電線被膜5)，固体試料6)の燃焼を初め数多くの研究がなされている．これらの基礎的な研究により，微小重力環境における燃焼に関する知見が得られている．宇宙活動で利用する材料の燃焼試験法に関してもこれらの知見を考慮した試験法および防災基準の策定が必要である．