ニュータウン設計手法の火星都市設計への応用

摘要

人間が火星で生活するには、形態はどうであれ、人間がコミュニティーを形成する生物である以上、人間の欲求を満たす物理的な複合空間、つまり都市が必要である。しかし、火星の都市は、地球上の都市のように歴史的な遺産に束縛されない、まったく新しい形態になると考える。サイバー都市かもしれないし、アリの巣のような深地下都市かもしれない。或いは、きらびやかな高層建築と未来交通システムが融合したハイテク都市かもしれない。このような火星の都市にまつわるアイディアを考える準備として、第二次大戦後、英国を発祥に、世界中で開発が進hでいる（或いは進hだ）ニュータウンと呼ばれる新しい都市の設計手法を俯瞰した。そして、都市建設に必要な既存技術や既存社会要素も俯瞰しながら、未来の火星都市に応用可能な要素を種々選択し、現段階で火星に応用可能な技術、応用可能な社会システム、応用可能なインフラ等と融合して、未来の火星都市の姿を具体化することを試みた。そして、その火星都市を建設するために必要であろう開発技術の選択を試みた。