3I07 大気圏突入機の高エンタルピー気流の研究

摘要

再突入体のTPS(熱防御材)重量を軽減するには，空力加熱の高精度予測による重量マージンの削減が極めて有効である．近年カプセルは大型化が趨勢 1,2)であり，それに伴い境界層の乱流遷移が懸念されるため，乱流境界層条件での精度の高い空力加熱計測値は，設計基準値あるいは数値計算コードの比較?検証用データとして必要性が更に高まった．しかし，高温極超音速気流中で境界層を乱流に遷移させる高Reynolds数条件，即ち高圧(高密度)気流条件での空力加熱試験は，運転可能なよどみ点温度?圧力の制限から，従来の吹き出し型極超音速風洞では実施困難である．本研究では，実機の地球再突入速度流れにおいて世界で最も高いReynolds数条件を発生することができる高温衝撃風洞HIEST3)で、現在進行中の高エンタルピ乱流境界層空力加熱の研究の課題?現状?計画を述べる．