熱処理変形予測技術の開発

摘要

自動車歯車の熱処理工程では、数十個歯車が専用の保持冶具に数段積み重ねて、高温で浸炭してから、冷却油に入れて焼き入れを行う。この焼き入れの物理現象を二つに分割した。まず、加熱された歯車と冷却油との熱伝達と歯車の熱伝導から、時間毎の歯車の温度分布を計算する。ここで、沸騰たよる熱移動は実験相関式を用いて考慮した。次に、一個一個の歯車に対して、時間毎の温度分布から熱応力と変形量を計算する。本報では、歯車設計支援ツールとして、熱流体－構造の連成解析手法を使用する焼き入れ変形量予測技術の概要、設計支援の事例と量産熱処理工程の計算事例を紹介する。