非近傍と色信号間の情報を利用した再帰型イントラ予測に基づくカラー画像符号化

摘要

先に我々は，RGB 4:4:4フォーマットのカラー静止画像を対象とした，再帰型イントラ予測に基づく画像符号化方式を提案した．この方式では，同一色信号の近傍画素群に加えて，符号化済みの他色信号を参照する線形予測器を複数用意し，そのいずれかをブロック内の各画素に再帰的に適用しながら予測値を生成している．ただし，最初に符号化される色信号に関しては，符号化済みの色信号が存在しないため，同一色信号の近傍画素のみを参照する再帰型イントラ予測を適用していた．これに対し，文献[3]ではモノクローム画像を対象として，テンプレートマッチングによって得られる非近傍画素群の加重平均を参照する手法を提案している．本稿では，符号化対象色信号に応じてまたはの手法を切り替えると共に，局所的な直流成分を分離すると同様な予測式を導入することで，符号化効率の改善を図る．