名古屋エスカ地下街における維持管理対応の工夫

摘要

本報告は，地下街管理者会社が維持管理プラットホー ムをつくることにおいて，全方位カメラを利用した点検と3次元モデルに補修?補強履歴をのせて可視化を図っ た活用の事例を紹介した.3次元データの利活用の一つ として「点群データ」があるが，これから実施されよう としている駅西口の改造に伴う地下部分の改修計画や地 下街に近接したビル等の改修工事の際にも，まずはこの 全方位カメラを利用した写真撮影を実施することで，工 事前後の状況確認が簡単にでき，閲覧方法を出来るだけ 身近な方法で単純化し，特別なソフトを使用せずに一般 的なインターネットブラウザさえあれば閲覧できる方法 を社内で検討した.一般的に目に触れない部分の施設状 況をアーカイブ化することはあまり実施されていないが， 将来相当変貌するような工事等がある場合には大いに役 立つものと考える.また，今回実施した天井内部の点検 でも撮影時期の違いを全方位で确認できる利点がある.3次元モデルの活用対応については，今後ますます国 土交通省が進めるI-Construction やCIMとともに，その利 活用，例えば2次元から3次元への図面化作業など，は簡 単になり，作業時間の短縮化につながるものとなる.今 回は耐震補強工事の内容を3次元モデルのなかで可視化 したが，空調や配管工事など専門知識が無ければ理解し がたい在来の平図?断面図も3次元モデルの可視化によ つて配管やダクトの干渉チェックが容易になるため，地 下街にある設備等の維持管理や更新にも利用しやすくな るものと考える.