同期化力インバータによる系統安定化効果の検討

摘要

近年，再生可能エネルギー（RES：renewable energysources）の急速な導入により，電力系統では従来の信頼度基準の維持が困難となるなどの問題が懸念され，対策が検討されている。一方，信頼度の問題とも関連するが，電力システムの安定度問題も懸念材料である。RES 系統連系用のインバータ電源の増加は従来電源である同期発電機の減少を意味し，電力系統の慣性の低下は不安定化の要因になる。一般に，同期機が持つ同期化力は電力系統を安定的に運用するために重要な役割を担っている。安定度向上の観点から，同期機と同様の働きを持つ擬似慣性を電力変換器に具備することは，効果的な手法の一つである。