リングジョイントガスケット付き管フランジ締結体のFEM応力解析及び密封性能評価（ボルト初期締付け力のばらつきの影響）

摘要

リングジョイントガスケット付き管フランジ締結体は，高温高圧条件下の各種機械構造物に多用されている．しばしば結合部分からの漏えい事故が生じることが問題とされている．この漏えい事故を防ぐためには，リングジョイントガスケット付き管フランジ締結体の特性を明らかにする必要がある．管フランジ締結体のボルトを締付ける際にはトルクレンチが使用されており，ボルト初期締付け力の値がばらつくことが知られている．従来の研究より，ボルト初期締付け力のばらつきが軟質ガスケット付き管フランジ締結体の密封性能に及ぼす影響は明らかにされている．しかし，ボルト初期締付け力のばらつきがリングジョイントガスケット付き管フランジ締結体の密封性能に及ぼす影響についての研究は見当たらない．リングジョイントガスケット付き管フランジ締結体の密封特性は軟質ガスケット付き管フランジ締結体の密封特性とは全く異なることが知られている．そのため，ボルト初期締付け力のばらつきがリングジョイントガスケット付き管フランジ締結体の特性に及ぼす影響を把握することは非常に重要であると考えられる．