PIV計測とCFDによるクローズド形一枚羽根遠心ポンプの内部流れ

摘要

下水処理施設などで用いられる汚水用ポンプは，固形質や繊維質の異物を含hだ流体を輸送する．そのため，異物による閉塞を防ぐ必要があり，ポンプ内最小粒径である通過粒径を大きく形成することが求められる．一枚羽根遠心ポンプは羽根枚数が一枚であるので通過粒径を大きく確保することができる．しかし，遠心ポンプの内部流れは遠心力やコリオリ力の影響を受け，流量によっても大きく変化する．加えて，一枚羽根では非軸対称な圧力分布を生じさせる．したがって，一枚羽根遠心ポンプの内部流れは羽根位置によっても大きく変化し，極めて複雑な様相を呈する．内部流れの解明は，高効率化や羽根車に作用するラジアルスラストを低減する上で極めて重要である．しかし，一枚羽根遠心ポンプの内部流れについては研究報告が少なく，最近になってCFD（数値流体力学）解析やPIV（粒子画像流速測定法）計測により調査した報告がなされているものの，その詳細は十分明らかでない．そこで本研究では，クローズド形一枚羽根遠心ポンプの内部流れの解明を目的として，PIV計測により羽根車周りの流れを調べた．それと並行して本ポンプのCFD 解析も行い，両者の結果を比較検討した．