ディープラーニングによる衛星画像の雲判別の可能性

摘要

衛星画像の雲判別は地上処理系における基本処理の一 つであり、その結果は様々な高次処理に影響を与えるほ か、ユーザの画像検索における重要な情報にもなる。雲 判別のアルゴリズムには、Landsat のACCA やMODIS の MOD35 などがあるが1)－3)、基本的には、雲の反射特性や 温度特性に基づいて様々なバンドを組み合わせたテスト を複数用意し、これらを決定木やスコアの相乗平均など によって雲を識別する。しかし、雪氷圏などでは精度が 下がったり、使用できるバンドが不足している場合には 思うような結果が得られなかったりする場合も多い。一 方で、人間は雲の空間パターンに関する経験を生かして 雲を識別するため、可視域のブラウズ画像でも雲を認識 できる場合も多い。こうした背景の下、本研究では、デ ィープラーニングによる衛星画像の雲判別の可能性につ いて調査したので、その結果について報告する。