Coナノ粒子を用いたナノ粒子分散系の磁気光学特性

摘要

光と磁気の関係において重要な現象のひとつに磁気光学効果がある。磁気光学効果は，磁化している物質を光が透過する際に，光の偏光面が回転する現象であり，光アイソレーターなどに応用されている。現在，応用されている磁気光学材料はバルク単結晶であるが，それは使用できる光の波長が限定されている。そこで，バルク単結晶に代わる新しい磁気光学材料としてナノ粒子分散系を提案する。ナノ粒子分散系とは，媒体中に磁性ナノ粒子を分散させた系であり，この系では，粒子の粒径を変えることで使用波長を調節可能である［1］。しかし，現状では，ナノ粒子の分散状態の違いが磁気光学効果に与える影響は，あまり調べられていない。そこで，本研究ではナノ粒子分散系全体の有効な誘電率を考えることにより，ナノ粒子が与える磁気光学特性を考える。具体的には，体積分率の異なる強磁性Coナノ粒子分散系を用いて，実験とシミュレーションにおける磁気光学効果を比較した。