Nd_2Fe_(14)B（100）/α－Fe（110）界面における交換結合の評価

摘要

Nd_2Fe_(14)B/α－Fe系ナノコンポジット磁石は，Nd－Fe－B磁石の最大エネルギー積を上回るポテンシャルをもつことで期待されている．一方最近，Nd_2Fe_(14)Bとα－Feの界面の結晶面方位の組み合わせによって交換結合定数が変化し，負の値も取り得ることが第一原理計算によって示唆[1］された．我々は，Nd_2Fe_(14)B（001）/α－Fe（100）モデル界面を薄膜プロセスにより作製し，その交換結合がFMR測定より正であることを報告してきた．更に，Nd_2Fe_(14)B（100）/α－Fe（110）モデル界面をバルク単結晶試料から作製し，同様にFMR測定を行なったところ，共鳴磁場が高磁場側へシフトしたことから，この界面では交換結合が急になっている可能性を報告した[2]．本講演ではこのモデル界面での交換結合について，更に詳細な評価を行うため，FMR共鳴磁場の面内角度依存性，およびマイクロKerr効果測定による界面近傍の局所磁化過程を測定した結果を報告する．