異なる反応器を用いた家庭用品由来VOCからの室内二次有機エアロゾル（ISOA）生成

摘要

室内の微弱な紫外線（UV)の照射による光化学反応により，家庭用晶由来のVOCから100nm未満の二次有機エアロゾル（ISOA：hdoor Secondary nano-sized Organic Aerosol)が生成されることが知られている。ISOAは，OOA（含酸素有機エアロゾノりを含hでいるため，人体に悪影響を及ぼす可能性がある。前報では，VOCの中でも特に防虫剤に使用されているパラジクロロベンゼン(p-DCB）に着目し，より実際の室内環境条件に近い低UV強度条件(-10W/m~2）でのISOA生成実験，および2種類（流通式およびバッチ式）の反応器を用いた低UV強度でのISOA生成挙動を報告した。しかし，流通式反応器を構成するガラス管（ID Φ75mm）同士を繋ぐ接続部がIDΦ10mmのPTFE管であったことから，接続部での粒子損失が無視できないと考えられた。また，比較対象としたバッチ式反応器は100 Lガスバッグであり，同様に壁面沈着による粒子損失の影響が大きいと予想された。そこで本研究で株流通式反応器の接続部をIDΦ50mmのアルミ製フレキダクトに変更した上で，ISOA生成実験を行った。また，比較対象のバッチ式反応器には2000Lガスバ　ッグを使用し，2種類の反応器におけるISOA生成挙動を再度比較　した。