個数濃度によるPM10/PM2.5測定用バーチャルインバクタの分級特性評価と固定発生源実測への適用

摘要

大気中の浮遊粒子状物質の中で空気力学径が2．5μm以下の粒子は，脚包まで侵入可能であり，呼吸器系疾患の原因物質として指摘されている。ISO7708は，呼吸により人体へ侵入する粒子の割合を粒子径ごとに規定している。我国においても2010年4月から2．5μm以下の粒子の質量濃度(PM2.5）の規制が開始された。一克工場などの固定発生源における高粒子濃度の封脚ス中でのPM10/PM2.5質量濃度測定用サンプラとして粗大粒子の捕集部での再飛散の無いバーチャルインソヾクタ(VI)が推奨されている1）。従来のバーチャルインパクタにおける試験粒子を用いたラボ実験では，所定の粒子分級性能を有することが明らかになっているが勾，10μm付近の分離効率の測定の精度が十分とは言えなかった。本研究では，従来質量濃度で行われていた評価法に代わり，個数濃度測定による分級性能評価の迅速化を図ることを目的とする。10μmにおける分離効率を精度良く測定するため，粒子損失の少ない二重円筒型のアダプタを新たに作成して評価を試みた。さらに，中国の火力発電所の排ガス処理施設での実測で捕集された試料を用いて分離効率を求めた.