はすば歯車のホブ切り加工における理論誤差解析

摘要

歯車は，機械構造物の動力伝達要素として必要不可欠であり，歯車の組み合わせによって回転運動の増減速が可能である．一般に，多く用いられる円筒歯車である平歯車やはすば歯車は，高精度かつ高効率加工を行うためにホブ切りにより加工される．ホブ切り加工は，ねじ状工具であるホブと被削材の創成運動によって加工される．一方，ホブの形状精度やホブ軸への取付け誤差が存在する場合や，被削材に取付け誤差が生じた場合には，歯車の歯形は理想的なインボリュートにはならない．もし，歯車の歯形がインボリュートでない場合には，歯車による滑らかで高精度な回転伝達は不可能である．このような現状で，ホブや被削材の取付けは人間の手で行われるため，ホブの取付け誤差による歯形精度は大きな問題となっている．