玉軸受の保持器公転周期振れに及ぼす玉径相互差と玉配置の影響

摘要

近年，情報機器や工作機械に使用される玉軸受の高回転精度化要求が高まっている．特に磁気ディスク装置のスピンドルモータ用玉軸受においては，記録密度の上昇に伴ってラジアル振れの回転非同期成分(Non Repetitive Run-Out, 以降NRRO)を小さくする要求が高まっており，現在では0.05μｍ以下が必要となっている．NRROを低減させるには，内外輪軌道面や玉に含まれる形状や寸法誤差を小さくすることが重要とされてきたが，加工精度の向上はコストが関係するので，効率的に回転精度を向上させるには，要因の影響度を検討することが不可欠である．そこで本研究では，計算プログラムを用いてNRRO の最も大きな成分である保持器公転成分（fc 成分）の原因となっている玉径相互差の影響を玉の配置も考慮して解析した結果について報告する．