架空地線用落氷対策品（落氷防止ネット）の耐アーク特性

摘要

当社管内の高標高の山岳地送電線において、雨氷と推定される着氷現象が数年に一度の頻度で確認されている。氷が送電線下に落下する可能性があることから、公衆保安確保のため対策手法を検討する必要がある。電力線については、磁性材料で作られた融雪用線材を電力線に巻付け、これから発生する熱により氷を融かす方法が既に実用化されているが、架空地線については効果的な対策がないのが現状である。そこで当社では、架空地線用に落氷を低減する対策品（落氷防止ネットおよび親水性テープの2種類）を考案し、雨氷発生時の気象条件を模擬した人工着氷試験を実施してきた。その結果、落水防止ネットについて、落水低減効果があることを確認した。本報では、落氷防止ネットの現場適用性を評価する一項目として、雷撃を模擬した直流による耐アーク試験を実施した結果について報告する。