原子力プラントの電気·計装設備の長期健全性評価

摘要

そこで、筆者は原子力プラントのケーブルの経年変化評価について－調査研究（以下ACA研究）を行った。その結果、実機の通常運転時の劣化を模擬するためには熱と低線量率の放射線による同時劣化が必要であることを明らかにした。さらに、ACA研究で得られた成果を他の安全系の電気·計装設備に展開し、長期健全性評価手法を確立することを目的として、電気·計装設備の健全性評価技術調査研究（以下AEA研究）を行った。このAEA研究では、経年劣化を考慮すべき部位の高分子材料について熱及び熱·放射線同時処理後の機械的特性の変化から加速劣化条件を求め、これにより実機使用条件に即した経年劣化評価手法の策定及び安全系電気·計装設備の代表的な機器の長期健全性評価試験を実施した。前報では、原子炉格納容器の電気ペネトレーションのシーソレ部材として用いられるエポキシ樹脂の劣化特性を報告したが、本稿では電気ペネトレーションの長期健全性評価結果を報告する。