高温過熱面の濡れ開始機構に関する研究

摘要

原子炉、ボイラーあるいは超電導マグネット等の安全性に関して、過去多くの沸騰熱伝達の研究がなされている．この沸騰熱伝達の詳細な理解に対して、濡れ性の情報は不可欠なものである．特に、高出力の軽水炉における沸騰遷移現象およびウェッティング挙動に、この濡れ性の情報が必要とされる．しかしながら、極小熱流束点(MHF 点)温度のモデルに関して、熱流束支配型モデルと温度支配型モデル(2)とが知られているが、前者は加熱面性状の影響を反映させられず、また後者は定量的に異なり、いまだそのモデル化に成功していない．そこで本報告では、極小熱流束点(MHF 点)温度のモデルを構築し、併せて、MHF 点温度に及ぼす固体側熱伝導率の影響を検討した．