新信濃交直変換設備におけるサイリスタバルブおよびバルブホールの設計合理化

摘要

2021 年3 月31 日に新たな東西連系線として飛騨信濃周波数変換設備（以下，飛騨信濃FC）が運用開始した。この設備は地震等の災害により大規模電源が広域的に停止した場合に被災地域で発生する電力需給逼迫に対応するため建設された周波数変換設備である。飛騨信濃FC は新信濃変電所（50Hz 側）と飛騨変換所（60Hz 側）に設置された他励式の交直変換設備（以下，サイリスタバルブ）と亘長89km の架空送電線にて構成され，定格900MW双極1 回線構成の周波数変換設備である(1)。新信濃変電所では既に2 つの周波数変換設備（1 号FC，2 号FC）が設置されているため，今回の飛騨信濃FC は変電所敷地内の分散した空きスペースに配置する必要があった。（図1 参照）このような狭隘なスペースに配置できるようサイリスタバルブの設計合理化にまで踏み込hで変換器建屋（以下，バルブホール）の縮小化を検討したので，その結果について報告する。